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KIKI歌野

Author:KIKI歌野
物書き(♀)です。アダルト表現を含む物語もありますのでご注意ください。ふと訪れた方々が楽しんでくださればうれしいです。
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KIKI歌野の、たあいないものがたり
小説を書いています。官能を含む恋愛小説、普通の小説をぼちぼち載せていきます。たぶんまあまあ面白いです(つまんなくても暖かい目で見守ってください・・笑)


  NEW!!☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 2012年8月
 直己×香枝の最新作『パーフェクト・ビューティー・オブ・ライフ』アップしました。

 ゴメンナサイ、今回は有料コンテンツですが、(1)のみ無料で試し読みしていた
 だけます。

  皆様から寄せられたご感想はコチラ → ★★

 
 2010年11月
 直己×香枝の第四弾『ラヴァーボーイの受難』アップしました。


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  初めてのお方はどうぞ。このブログ内の小説ラインナップが一目でわかります。


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  皆様へのお知らせとかお礼とか言い訳とか、いろいろ書いてあります。


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  キャラなりきりつぶやきもやってますので、小説を気に入ってくださった方なら
  楽しめると思います。ぜひのぞいてくださいね(現在停止中・・・ごめんなさい)



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グリーン・グリーン(4)
「宇田川さん、どう思います? 彼女のこと」
「あー仕事はできるよな」
「彼氏とかいるんすかねー」
 週明けの月曜日、直己は「他の男」である三宅とサシで昼食をとる羽目に陥っていた。横浜の店舗を見学後、「うまい中華食いにいきましょう」と誘われたのだ。話題にのぼっているのは誰あろう、香枝である。
「突っ込んで聞いてみたいけど、いるって言われたらちょっとショックだしなー」
 直己は回鍋肉を咀嚼しながら男を観察した。全体的に小ざっぱりしていて闊達な喋り方をする。営業だけあって気も利く。モテないこともないだろう。
「あのさ、彼女いるよな?」
「え? いや今はいないです。先月別れたばっかりなんすよ」
「籾山はやめときな。彼氏いるから」
 三宅はジャスミン茶を吹きそうになり、慌てて卓に置いた。
「知ってるんですか、宇田川さん」
「同じ部署だしね。まーしょうがねーよ。他の探しな。あ、そーだ。なんなら合コンとかしてみる?」
「え、合コン」
 眼が輝く。好きなコがいても合コンはしたい。男のサガだ。
「宇田川さんの知り合いって美人多そうっすよね」
「うん多いよ。籾山より全然いいのばっか」
 直己は笑顔で強調した。三宅は店を出ると「彼氏いんのかぁ」と無念そうに呟き、「合コンやりたいっす。よろしくです。俺いつでもいいんで」と真剣な顔で言った。三宅と別れた後、直己は香枝の携帯に電話をかけて事の経緯を説明した。
「信じらんない! なんで直己が合コンのセッティングすんの?」
「さーな。どっかのブリッ子が男心を弄んだせいじゃね?」
「何言っ・・三宅っちは彼女と別れたばっかりなんでしょ? 単に心が揺らいでるだけだって」
「だから美人紹介して揺らぎをとめてやる。じゃ報告したからな」
「待ってよ。合コンなんてダメ。直己は出ちゃダメ」
「幹事は欠席できません」
 直己は通話を切ると、以前の会社の受付嬢に電話をかけた。悪友である彼女は三股四股など当たり前の鬼畜だが、見た目は上品な美女だ。合コンマニアでもあるのでトントン拍子に話は決まり、木曜日に開催することになった。

 当日、直己はオタクっぽいチェックのシャツを着た。中学生のような白い靴下に古いシューズ。惚れこんで買ったバカ高い腕時計は外していく。自分は員数外という無言のアピールのためと、ご機嫌ナナメの香枝へのパフォーマンスでもあるが、彼女は急な外出が入ったらしく終日顔を合わせることはなかった。七時前に会社を出て合コン会場のカジュアルなイタリアンレストランに早めに着くと、女子側の幹事である受付嬢はもう来ていた。直己を見るなりバッチリメークの眼を見開き、呆れた顔になる。
「なにそのカッコ。しかも手ぶら?」
「一時間で会社戻んなきゃなの。他のヤツらはやる気満々だからカンベンして」
「で、お勧めは?」
「三宅。見た目はマアマア、若手じゃトップセールスの出世頭」
「女いんの?」
「先月別れた」
「ふーん、じゃ貰うかな」
「貰うなら今日中に手付けろよ」
 冷徹な顔で打ち合わせる様は人身売買さながらだ。十五分後には全てのメンバーが揃い、乾杯が済むと笑顔の裏で異性の品定めが続いた。受付嬢は上品な笑みを振りまき、三宅に話しかけている。三宅もまんざらではないらしく、はにかみながら話す口元が緩んでいる。受付嬢はさりげなく席を立ち、絵文字だらけのデコメを寄こしてきた。
『いいっ!見た目好み! 適度にハキハキしてて若干シャイな感じも! とうとうあたしにも赤い糸の人が登場っ?』
 何が赤い糸かと呆れるが、この鬼畜は「運命の人が現れたら他の男は直ちに捨てる」と豪語する、ある意味純粋な女なのである。
「あれっ、なんでうちの会社の営業マンがこんなたくさんいんの?」
 左手から明るい女の声が聞こえた。直己はぎょっとして振り向いた。「えっなんで」と三宅が狼狽した声を出した。
「あーこれって合コンかなんか?」
 モテ服にモテメークの女性陣の傍らに、グレーのパンツスーツの香枝が立っていた。
「なんでここにいんの」
 直己は抑揚のない声で問った。教えてもいないのになぜ店を知っていたのだろうか。
「近くで撮影だったんだー。やっと終わったんでイタリアンでも食べよっかなって。一人で寂しく」
「あ、良かったらご一緒にどうですか?」
 受付嬢が如才なく同席を勧めた。
「ありがとうございます。でもちょっとメールチェックしないと」
 離れた席に案内された香枝は、ノートパソコンをテーブルに置いて仕事を始めた。三宅の表情がそわそわしている。直己はテーブルの下でこっそりメールを打った。
『何しにきたんだよ』
 即座に返事が来た。
『これってホントに三宅っちのためなわけ? 美人がいっぱいですけど』
『くだらねーこと言うな。帰れ』
『どこで仕事しようとあたしの勝手だもん』
 水面下でのやりとりなど知る由もない女子の一人が、香枝を見て羨ましそうに言った。
「なんか素敵な人・・。あたしみたいなOLとは格が違う感じ」
 三宅が立ち上がった。香枝のところに向かっている。直己は眼の端でそれをとらえつつ「宇田川さんのお仕事って大変そう」と媚全開で微笑む隣の女を「大変すぎて一週間風呂入ってねーの」と牽制した。
 三宅は香枝と短い言葉を交わして戻ってきた。「宇田川さん、ちょっといいすか」と耳打ちされ、連れ立って店の外に出る。三宅の顔は異常なほど上気している。
「あの・・もしかして籾山ちゃん、俺のこと追いかけてきたんじゃないすかね」
「あ?」
「実は昨日彼女に聞かれたんですよ。明日どっか行くのって。フツーに店の名前とか教えたんすけど、まさか来るなんて・・ひょっとして脈アリなのかなー。つーか合コンってバレちゃって気まずいんだけど、はは」
 直己は内心で舌打ちした。よりによって三宅から聞き出すとは浅慮にも程がある。
「単に近場で仕事してたから来ただけっしょ」
「他にもいくらでも店あるじゃないすか。一人でも入りやすい店とか」
「てか彼氏いるし」
「でもうまくいってないのかも」
 三宅は自分に都合よく解釈したがっている。今このタイミングで白状すれば必ず一波乱あるだろう。
「期待しないほーがいいと思いますがね」
 投げやりな口調で答えて合コンの席に戻ると、隣の女が「もっとワイン飲みません~?」とすり寄ってきた。直己のワイングラスを取り上げようとして手がすべり、グラスの底に残っていた赤い液体が直己のシャツに跳ねた。
「あっ、ごめんなさい・・大丈夫ですか?」
 女は甘い声で謝り、ハンカチを出してシャツを拭き始めた。受付嬢の知人だけあって百戦錬磨だ。吹き出しそうになりながら「いーから。これ超安もんだから」と手を押しやる。
「こちらのワイン、あちらのお客様からです」
 ワインボトルを捧げ持った店員がやってきて、香枝のほうを見た。香枝は片手を振ってニコッと笑った。
「おー籾山いいヤツじゃん」
「やることオトコだよなー」
 座が一気に盛り上がる。女性陣が「ねー、あの人こっちに来てくれないかな」と騒ぎだした。
「なんかカッコいい。仕事の話とか聞きたーい」
 香枝は女子に乞われる形でやってくると、冷やかすように男性陣を見た。
「ごめんねー。見飽きた顔が一匹混じっちゃって」
「籾山ちゃん、こっちに座って」
 自分の隣に席を用意させた三宅は、もはや受付嬢の顔など見ていない。香枝は今彼女が抱える最も大きなプロジェクトである、M社タイアップのCMにまつわる失敗談を話して笑いを取ったが、直己の横の女だけは関心を示さず直己の手に触った。
「綺麗な手・・。あたし手相見るのうまいんですよー。見てあげますね」
「へー手相? 俺にも教えて」
 と三宅がさりげなく香枝の手を取った。「自分の手でやりなよ」と文句を言う香枝を黙殺し「これが生命線だっけ?」と手のひらに指を這わせる。くすぐったそうに香枝が笑った。その瞬間、直己が抱いた憤怒の凄まじさは直己本人すら驚くほどだった。隣の女は直己の手のひらを熱心にのぞきこんでいる。
「すっごくいい手相ですよー。男性にも女性にも人気がありますねー」
「宇田川って多情の相とか出てそーだよね」
 香枝が口をはさんだ。「楽しそうでいいね。あたしみたいな純情一徹には理解できないけど」
「籾山ちゃん純情一徹なんだ。俺と同じだ~」
 三宅が甘ったるく調子をあわせる。さすがに何か変だと気付いたのか、香枝は眉根を寄せて三宅を見たが、会社の携帯が鳴ったので中座して店外に出て行った。直己の手を握ったままの女が、ふふっと笑った。
「綺麗な人だけど、ああいう忙しい人の彼氏ってかわいそう」
「そう? 好きなら何でも我慢できるけどなー俺は」
 三宅がなぜか余裕ありげに答えた。「あ、籾山ちゃん。上着置いてっちゃった。寒くないかなー」
「寒くねっしょ。暑がりなんだから」
 直己は低い声で答え、立ち上がった。
「わり。俺会社に戻るわ」
 受付嬢に会費を支払い「三宅は今日無理っぽい。カンベンな」と耳打ちし、レストランを出る。香枝が電話を切ったところだった。直己を振り向いた表情は、付き合う前の彼女を彷彿させるものだった。
「帰るんだ? あの粘っこそうな彼女はほっといていいの?」
「・・・お前いい加減にしろよ」
「そっちこそ人の目の前でイチャイチャと何なのあれ」
「好きでやってるよーに見えたかよ! ノコノコ出しゃばって話ややこしくしやがって。三宅のあの態度見たろ? カンペキお前のせいだぜ。わかってんのか?」
 直己がここまで語気を荒げることは滅多にないので、香枝の表情が鼻白んだ。今初めて自分の失策に気づいたように視線を下に落とす。
「俺はもう知らねー。お前自分で責任とれよ」
「来るつもりじゃなかった」
 唇をキュッと引き結ぶ。
「でもあたしの足が勝手に来たんだもん」
 直己は「は」と一声投げると歩き出した。頭蓋の中が沸騰している。
 駅に続く遊歩道には、青葉を繁らせた桜の木が連なっていた。
 鮮やかな緑の葉っぱを見過ぎると、眼の色が緑に変わってしまいそうな気がする。子供の頃そう思ったことがある。なぜ今そんなことを思い出したのだろう。緑の眼。グリーン・アイ・・・。その英語が「嫉妬」という意味を持つことを、直己は思い出した。
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