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KIKI歌野

Author:KIKI歌野
物書き(♀)です。アダルト表現を含む物語もありますのでご注意ください。ふと訪れた方々が楽しんでくださればうれしいです。
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KIKI歌野の、たあいないものがたり
小説を書いています。官能を含む恋愛小説、普通の小説をぼちぼち載せていきます。たぶんまあまあ面白いです(つまんなくても暖かい目で見守ってください・・笑)


  NEW!!☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 2012年8月
 直己×香枝の最新作『パーフェクト・ビューティー・オブ・ライフ』アップしました。

 ゴメンナサイ、今回は有料コンテンツですが、(1)のみ無料で試し読みしていた
 だけます。

  皆様から寄せられたご感想はコチラ → ★★

 
 2010年11月
 直己×香枝の第四弾『ラヴァーボーイの受難』アップしました。


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  初めてのお方はどうぞ。このブログ内の小説ラインナップが一目でわかります。


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  小説のキャラ紹介です。「100の質問!」コーナーもあります。お時間のある方はぜひ


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  皆様へのお知らせとかお礼とか言い訳とか、いろいろ書いてあります。


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  キャラなりきりつぶやきもやってますので、小説を気に入ってくださった方なら
  楽しめると思います。ぜひのぞいてくださいね(現在停止中・・・ごめんなさい)



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八月のアンビバレンス・ラプソディー (2)
 携帯電話がないことに香枝が気付いたのは、二時間に及ぶ会議が終了し自分のデスクに戻った時だった。会社の携帯はあるのに、プライベートの携帯がバッグに入っていない。
「やだ、どこに置いてきたんだろ?」
 バッグの中身をデスクに全部出してみたが、やはりどこにもなかった。
「どうしたの?」
 例の三人の女子連が集まってきた。携帯がないと言うと揃って呆れた顔になる。
「だいたい飲みすぎなんだよね」
「どーやったら失くせるのかなー。あんなバカでかいボンボンがついた携帯」
「宇田川さーん、あれ? さっき会議から戻ってきませんでしたあ?」
 新人の派遣社員の女子が受話器を持ったまま、立ち上がって周囲を見渡している。
「コーヒー飲みにいくって、また出てったけど」
 香枝が答えると、派遣女子は頷いて電話応対に戻った。
「すみませーん、席はずしてますー。じゃ復唱しますね。えーと赤い携帯ですよね。で、黒い大きなボンボンが二つ付いてるんですね。かしこまりましたあ。本人が戻り次第、確認して電話させますので」
 香枝の顔から血の気が引いた。血の気がひくのは今日二度目だが、さっきより血流が激しい。女子連が互いに顔を見合わせて不思議そうな表情になった。
「今の電話誰から?」
「赤い携帯に黒いボンボンって、籾山ちゃんの携帯じゃないの?」
「えーそうなんですかあ?」
 何も知らない派遣女子は、無邪気に眼を見開いた。
「『ブラッドハウンド』ってお店からで、宇田川さんのお連れの方が携帯を忘れたので伝えてくださいって。宇田川さんの携帯番号を知らないんで会社にかけてきたみたいですけどぉ」
 女子連の視線が、派遣女子から香枝の顔へと移動した。

「バカたれ」
「だから何度も謝ってるじゃん」
 夜七時、香枝は直己に呼び出されて十九階の小さな会議室にいた。直己はドアにカギをかけると白く広いデスクの角に尻を乗せ、傍らに立つ香枝を苦笑して見つめた。どこかで緊急購入したらしい黒いシャツとカーゴパンツが良く似合っている。何を着てもカッコいいと見惚れてしまうのは、恋のフィルターで視界がやや曇っているせいかもしれない。
「確かに携帯忘れたのはまずかったけど、会社に電話かけてきてこの手の伝言頼む店の人もどうかと思うよ?」
「そもそも携帯忘れなきゃ電話もかかってこなかったし、飲みすぎなきゃ携帯忘れることもなかったって話だよな」
「でもうまく誤魔化したし大丈夫だってば」
女子連には「仕事の相談がてら一杯だけ一緒に飲んだ。宇田川はさっさと帰ったので、その後は友達と夜中まで飲んだ」と咄嗟に嘘をついた。直己と香枝は険悪な仲というイメージが根強いらしく、二人きりで飲んだというだけで衝撃を与えたらしい。
「マジ? いつ仲直りしたの? そういえば籾山ちゃん、最近ウタさんの悪口言わなくなったような」
「仲直りっていうか・・M社のプロジェクトもあったし他にも仕事の絡みあるし、喧嘩なんかしてられないよ」
 香枝はPCを立ち上げ、仕事をしているフリをして会話を終わらせた。それ以上は突っ込まれなかったので、内心大いに胸を撫でおろしたのだ。
「うまく誤魔化したってお前・・」
 直己はうっすらと笑みを浮かべ、手に持っていたプライベート携帯を開いて香枝に画面を見せた。見ると営業部の三宅っちからのメールだった。タイトルは『やばくない?』とある。
『二人で朝帰りだったんだって? 女の子の間でネタになってる。交際疑惑とか何とかメールやメッセンジャーが社内中を飛び交ってるらしい。あんたら二人とも目立つんだからもっと気をつけないと』
 香枝は絶句したまま、三宅っちのメールを二度読んだ。
「・・・三宅っち、なんで直己にメールしてあたしにはしてこないの?」
「そこか? お前の突っ込みどころは」
 直己は香枝の左腕を掴んで引き寄せた。
「正直に言ってほしいんすけどね・・・皆にバレてもいいから堂々と付き合いたいとか、心の奥で考えたりしてね?」
「え?」
「お前何が欲しいって言ったっけ。こないだテレビ見てたとき」
「何って」
 直己が言わんとしていることはすぐにわかった。日曜日、直己の部屋でテレビを見ていた香枝は、タレントカップルのペアリングが可愛いと思ったので、「あたしも欲しいな」と何気なく口をすべらせたのだが、「揃いの指輪をどこにつけてくんだ? 会社か?」と直己に突っ込まれ、せせら笑われたのだ。
「別にねだってないし。それにリング欲しがるってそんなに悪いこと? 犯罪?」
「悪いなんて言ってねーよ。女だからまあしょうがないと思ってる。ただ自白行為をしたがる心理は良くわかんねーけど」
 直己は肩をすくめた。香枝の腕から手を離すと、からかうような笑みが消え、思慮深いというよりは冷徹な眼になった。
「まあ、噂が立っちゃったもんは仕方ない。でももし誰かに面と向かって聞かれたら、俺はとことん否定を貫く。籾山とは朝帰りもしてねーし付き合ってもないって断言する。認めたら最後、仕事がやりにくくなるし、周りにも気を遣わせることになるからな。お前にも完璧にシラ切ってほしいけど、できるか?」
「だからちゃんとシラ切ってるってば」
「やり方が甘いから噂が立ったんだろ? お前仮にもマーケなんだから、嘘も方便と割り切ってちゃんと使いこなせ」
 高圧的な口調に反感がつのる。確かに多少しどろもどろになった気もするが、咄嗟の嘘にしては上出来だったはずだ。あの場に居もしなかったくせに何がわかるのか。
「わかった」
 香枝は短く答え、両腕を組んで唇を引き結んだ。
「話はそれだけ? もう仕事に戻りたい」
「あーそうだ、もう一つ。今朝のテレカンのミニッツがまだ出てねーけど、どうなってんの。近藤が担当だったよな」
「近ちゃんならもう帰ったけど」
「なんだそりゃ。お前あいつと同じチームだろ。書くまで帰らせんなよ」
「は? あたし上司じゃないし、そんなことできないよ」
「じゃあお前でいいから今すぐ作成してディレクターに報告しとけ」
「それはあたしの仕事じゃない。それに直属の上司でもないあんたに命令されたくない」
「同じチームの誰かがカバーすんのが筋だし、そもそも上司でもない俺に言われるまでやらねーほうがおかしいんだよ。やること遅すぎ」
 直己が容易に引っくり返せるような指し手をした自分に、香枝は嫌気がさした。
「・・・三十分で提出する」
直己に背中を向けて部屋の外に出ると、香枝は大股で廊下を歩いた。十七階のデスクに戻って凄まじい勢いで作成したミニッツをメールで送信してから、沙織の内線に電話をかけて飲みに誘った。購買部にいる同期の沙織とは入社以来の親友で、直己のことも彼女にだけは話してある。
「あーはいはい、わかった。じゃ一時間後に」
沙織はもう事情を呑み込んでいるような口吻で言った。
一時間後、香枝は居酒屋のカウンターでイモ焼酎のロックを飲みながら、社内恋愛の面倒さを沙織に愚痴った。
「あー朝帰りがどうとかって、ウチの部にまで噂が飛んできた」
 沙織は大好物のコプチャンの串焼きを食べながら言った。
「でも皆スルーしてたけどね。マーケとか子供っぽいヤツ多いから異常に食いつき良さそう」
「ねえ沙織・・・直己のことどう思う?」
「どうって、売上に貢献してるしリーダーシップあるし逸材だと思うけど」
「性格は?」
「あんまり絡みないからわかんないけど、さばけてるね。迷いがなくて稀に見る自信家って感じする」
「自信家どころか、一年三百六十五日、上から目線なんですけど」
 ぶっちゃけ本当にあたしのこと好きなのか疑う。香枝は内心で呟き、焼酎のお代りをした。
「だいたいデートキャンセルしても一言も謝らなかったんだよ? 自分のせいじゃなくても普通は謝るでしょ」
「うん、そりゃそうだけど・・・・ネバネバしてきたなあ」
「え?」
「なんかあんた、言う事が一般女子みたいになってきた」
「一般女子ですから!」
 沙織に指摘されるまでもなく、オクラ納豆みたいにネバネバしている自分のことは自分自身が一番よくわかっている。だが直己の言動にいちいち引っかき傷を残してしまうヤワな心をどうしようもないのだ。
 指輪が欲しいとうっかり洩らせば、「女だからしょうがない」と口にするあの神経。口達者なのをいいことに、仕事上でもいつも香枝をやり込めてアフターフォローのメールひとつしてこない。「同僚だけど彼氏だろ!」と言いたい気持ちを抑制しているのは、「公私混同」の一言で片づけられて終わりなのが目に見えているからだ。むかつくし、悔しい。今この瞬間もあの腕に抱かれたいと焦がれる「女」が自分の中に居ることが、何よりも情けなくてたまらない。


 沙織とは一時間だけ一緒に飲み、『ブラッドハウンド』に携帯を取りに行ってから帰途についた。今夜も熱帯夜になるのだろう、お湯の中を歩いているような湿気がたまらなく不快だ。昨夜も今朝もシャワーを浴びていないので、体が気持ち悪くてしょうがない。
 最寄りの駅に着き、大通りから小道に入って人気のない小学校の裏手まで来ると、嫌でも直己のことが想起された。このコンクリート塀に押し付けられてキスされた夜のことを、倦怠期の妻のような嘆息と共に思い出す。喧嘩の原因になった三宅っちは、今では香枝よりも直己と親しくなってしまったが、美人受付嬢と順調な交際を育んでいるらしい。
「ねー、飲みに行かね?」
 背後から声が聞こえたかと思うと、香枝はいつの間にか三人の男に囲まれ、行く手を阻まれていた。突然のことに体が凍りついた。
「ばんはー」
「綺麗な人だなーって思って、駅からついてきちった」
 全員少なくとも三、四歳は香枝より若く、だらしなく着崩した格好をしている。相当酒が入っているようだ。無言で男達の間をすり抜けようとすると腕を掴まれた。刹那、恐怖に襲われる。周囲には人っ子一人おらず、無人の小学校と公園があるばかりだ。
「ねーいーじゃん。一緒に飲もうよ」
「俺んちすぐ近くなの。酒とかゲームとかたくさんあるし」
 左腕を掴んだ男の視線が、香枝の顔と胸を往復している。ゾッとして振りほどこうとしたが男は隠微な笑い方をし、ますます強い力で掴み上げた。
「知らない人と飲むわけないでしょ。腕離してよ!」
「おー気ぃ強ぇー。マジ好みなんすけど。ね、トシ幾つ? OLさん?」
「俺らの相手してよ。どーせ家に帰るだけでしょ」
 別の男に馴れ馴れしく肩を抱かれる。香枝は即座に振り払うと、渾身の力を込めて眼の前の男の脛を蹴った。
「わっ!」
「行かないったら行かないんだよ! 離せバカ!」
 振りあげたバッグの角で、腕を掴んだ男の顔を思い切り殴る。悲鳴をあげた男の手が離れたので全速力で駆けだした。百メートル先のマンションではなく大通りに戻ったのは、駅前に交番があるからだ。だが追ってくる気配がなかったのでタクシーを拾い、迂回して逆方向から帰宅する道順を運転手に告げた。両手を口にあてて激しい息遣いを抑えようと前かがみになると、震えている膝が視界に入った。バッグから携帯を取り出し、直己の番号を呼び出して発信ボタンを押そうとした親指が止まる。
(まだ仕事中かもしれない)
 音を立てて携帯を畳み、香枝は瞼を閉じて座席にもたれかかった。



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